宮城・山形の両県に住んでいた経験があり、両方の芋煮文化を経験したことがある。ライター hira-nobita です♪
東北の皆さん!いよいよ秋のはじまり、芋煮会シーズンの到来です!!
福島県会津地方の出身の私も、この季節になると、子どもの頃から川原で芋煮をするのが定番でした。
子どもの頃って、自分の知ってる世界が全てのようなところがあるでしょう?
だから、他県に出て多文化に触れるまで、地元の芋煮しか知りませんでした…。
それが、山形市に住んで、山形の芋煮会に参加してみると、私の地元とは全く異なる芋煮の文化に、驚きと感動の連続だったんです!!
ということで今回は、私が実際に作って食べて楽しんだ山形式芋煮を中心に、東北各地の具や味付けの違いについてもご案内していきます♪
東北の秋はやっぱり芋煮会
最初に、東北に住んだことがなく、芋煮会を経験したことのない方のために、簡単にご説明しておきましょう。
東北各地では「川原などで里芋を鍋で煮て大人数でワイワイ食べる」という秋の習慣があります。これを総称して芋煮会と呼びます。
特に子どもの頃は川原という屋外で食べることが楽しかったし、大人にとっては青空の下で宴会ができるというのが開放的で最高です!!
みんなで材料を用意して、切って煮て味付けして、食べて片付けるまでの一連の流れ。
芋煮会は、家族・友人・地域・学校・職場などのグループで、親睦を深める行事として、最適な屋外パーティーになっているんですよね♪(BBQとも違います)
春はお花見ですが、それと同等で、秋は毎週のように芋煮会です。
色んな集まりに参加するので、意外とみなさん、秋は芋煮疲れに陥っている方も多いかもしれません(笑)
そんな中でも特に山形内陸部では芋煮が盛んで、9月の日曜日、山形市の馬見ケ崎河川敷で日本一の芋煮会フェスティバルが開催されます!!
あなたも聞いたことあるのでは?
直径6メートルの大鍋で、大型重機のショベルカーを使って、ダイナミックに芋煮が作られます。
年々観光客も増加傾向で、この日から山形の芋煮シーズンが始まるのです♪
山形内陸は牛肉醤油味!他の地域は?
さて、芋煮の基本的な具材といえば、お肉・里芋・長ねぎ・きのこなどでしょうか。あとは各県各地で様々なものが使われているようです。
秋の食材を使い、収穫祭のような意味合いも持ち合わせていますね。
ただし、肉と味付けに限っては、各地ではっきりとした違いが出ます!!
例えば、私の地元では豚肉で、味噌としょうゆをブレンドしていました。
でも、山形内陸(山形市を含む)の芋煮は、主に牛肉で醤油味!!ゴボウも入ってるし。
また、同じ山形県でも、内陸地域と、日本海側に位置する庄内地域とでは、もともとの食文化の違いもあり、庄内の芋煮は豚肉で味噌味です!!
そこで、他県各地の芋煮はどうなのか、調べてみました。
というより、山形での学生時代は各県の友人と山形式芋煮会をしていたので、自然とそんな話題になっていました(笑)
私も含め、山形出身じゃない友人たちは、牛肉・醤油味という芋煮にカルチャーショック!!
よく聞いてみると、山形内陸の他に牛肉を使う芋煮はナシ。
秋田出身の友人は鶏肉醤油味だと言ってたし、岩手では鶏肉や魚貝を使うところまで!
さらに青森では芋煮文化自体が普及していないそうです。
ましてや東北以外から来た友人からは「いや、そういうのやったことないから。川原なら普通、BBQじゃない?」と言われる始末…。
そんなこんなで、毎年、出身地の違う者同士で
「牛肉のすき焼き?」
「それ豚汁でしょ?」
といった論争が繰り広げられるのですが、結局みんな芋煮が大好きで、それぞれに作り方や思い出があり、どの芋煮も美味しくて楽しいんですよね♪♪
山形の芋煮愛はハンパない!
ここで、学生時代に人気居酒屋でバイトをしていた私が、その店舗主催の(100人規模の!)芋煮会のお手伝いをしていた数年間の経験から、山形人の他県をはるかに凌駕する芋煮愛について感動したことをお伝えしたいと思います!!
まず、山形市(内陸)では、日本一の芋煮会フェスティバルが開催されたり、テレビや料理本で紹介される芋煮レシピが主に牛肉醤油味だったり、庄内の豚肉味噌味の芋煮が他県でも一般的に食されていることから、山形を代表する芋煮といえばやはり牛肉醤油味になるのではないでしょうか。
そして、山形人の芋煮に対する熱意というか執着心というか(笑)、そのこだわりがハンパないのです!!
味付けは「〇〇ジュウじゃないとダメ」とか、「こんにゃくは包丁で切らずにちぎらないとダメ」とか。
それに、シメにはカレー粉を溶かしてうどんを投入するのが常識。
これがまた牛肉のダシが効いてて美味しい和風カレーに大変身!チーズをのせても美味しいよね~♪
さらに、全くの個人的見解ですが、高級旅館でも夕食の一品として芋煮が提供され、それが懐石料理としても遜色なく受け入れられるのは、山形の牛肉醤油味の芋煮くらいでしょう。
私は山形の旅館に宿泊したときソレに感動したし、豚肉味噌味の芋煮は旅館で食べたことがありません(中には提供するところもあるのでしょうが)。
また他にも、福島では見られなかったことがあります。山形県や宮城県では、秋になるとコンビニの前に薪が置いてあり、店内では着火材も販売されます。
そうそう、夏は海沿いのコンビニで浮き輪が売ってるみたいな感じ!?
毎年そうなので数年住めば当たり前になるのですが、他県から来た人々には不思議な光景です…。
スーパーや大学生協などでも、薪はもちろん、芋煮に必要な鍋の貸し出しなども行われています。
芋煮用に下ごしらえ済みの食材が売られているし、川原の指定した場所まで宅配サービスを行う業者も増えています。
手ぶらで芋煮などと呼ばれていますね。
私も女子だけの芋煮会のときに利用したことがありますが、とっても便利ですよ♪
まとめ
- 東北各地では、春はお花見・秋は芋煮会で親睦を図る
- 9月の山形市では「日本一の芋煮会フェスティバル」開催
- 山形内陸地域の芋煮は牛肉・醤油味
- 庄内地域や宮城福島では豚肉・味噌味が多い。
- 山形人の芋煮に対する情熱はアツい
東北人はそれぞれに、自分の土地の思い入れのある芋煮があります。
私もそうでしたが、今では山形の牛肉醤油味の芋煮が恋しくてたまりません!!
屋外じゃなくても、一人で食べても、純粋に美味しいし(笑)
皆さんも、たまには違う地域の芋煮を楽しんでみてはいかがですか?
そして何よりも、記事を楽しみにしてくれている読者さんのために、僕はこれからも東北についての情報を発信していきます。
皆さんどうぞよろしくお願いします。
こちらの関連記事もどうぞご覧ください。