仕事の関係で山形に住んでいた経験がある。ライターのhira-nobitaです♪
山形を代表する北村山地方の太くて黒い田舎そば。
その特徴については、前回の記事でご紹介させていただきました。
今回はそれを踏まえた上で、地元の人の声を聞いて、そして私が実際に食べに行ってみて、「これぞ、ここでしか味わえない、本当の山形のそばだ」と感動した名店を、厳選して2軒、ご紹介したいと思います♪
「古民家」という、オシャレにも感じられる落ち着いた空間で、歴史ある山形の田舎そばを味わってみませんか?
田舎そばを「古民家」でいただく
山形にはたくさんのそば屋さんがありますが、中でも人気なのが古民家風の、歴史を感じさせるお店です。
東京などでも、何故か” そば屋=古風な店構え ”のところが多いと思いませんか?
私もそうですが、人間は何となくそういう雰囲気が好きだと思うんです。
もちろん、食事をするとき、一番に求めているものは出てくる料理の味なのですが、でも、どうせなら、建物や店員さんや料理の器などを含めた雰囲気までも、トータルで味わいたい!って思いませんか?
ですから、山形のそばなら、山形らしい形式で食べられたらベスト!!
北村山地方で受け継がれてきたそばは、いわゆる王道の田舎そばで、家庭の味がルーツです。
それを地元の古民家で食べれば、ありのままの雰囲気を体験することができます!
それでは、山形そば本来の味を堪能できる、絶対王者2軒をご紹介します!
そば好きなのにこのお店を知らないなんて、山形では「モグリ」って言われちゃいますよ!!
あらきそば
大正9年創業の老舗店で、山形きっての名店と言われているあらきそば。
超人気店なので、いつも多くのお客さんで賑わっています。
私もちょうど昼時に行ったときは、駐車場が空かずにだいぶ待ちました~!
あらきそばは、江戸末期に建てられたという茅葺屋根の民家を、今でもキレイに使っています。
入り口を入るとすぐに、古い囲炉裏があり、そこで席に通されるのを待ちます。
店内は30畳ほどで、田舎の農家の広いお座敷に座卓と座布団がある、って感じ。風鈴がチリンと鳴って、落ち着く~♪
そばメニューは板そばのみ。
そばの量は2種類で、うす毛利(もり)とむかし毛利しかありません。
「板そば」については、前回ご案内しました。そばの量については、私はいつも ”うす毛利(920円 )” をオーダー。
男性でも十分満足できるほどの量なので、小食の人には多いかもしれませんね。
” むかし毛利は1.5人前(1,380円)” なので、よっぽど食べる量に自信のある人か、あるいは2~3人でシェアするならちょうど良いと思います♪
さて、肝心のそばの味や食感はどうでしょう。
基本的には太くて黒い、北村山ならではのそばなのですが、その太さがハンパない!!
ホント、割り箸ぐらいあります(笑)。東北や信州などのように、喉越しを楽しむというよりも、そばの風味を楽しむために噛んで味わうおそばって感じですね。
ちなみに、” そば湯は私好みで、ドロッとしていて濃厚~♪ ”
さらに、あらきそばで絶対食べて欲しいのが ”にしんの味噌煮(400円)” !!
私も最初は、地元の友達にすすめられて注文してみたのですが、運ばれてきたのは得体の知れない漆黒の物体・・・。
勇気を出して食べてみると、すーっと箸が通って、口の中でホロホロとほぐれる食感♪
良い意味で、見た目と味のギャップがすごい(笑)。
甘辛のしっかりした味付けですが、濃過ぎることもなく、単品でも全然食べられるし、何よりそばとの相性が抜群!
ちなみに、観光客に人気なのは、あらきそばセット1,720円(税込)。板そば(うす毛利)、にしんの味噌煮、季節の野菜の盛り合わせのセットです。
「あらきそば」は地元民が認めて通うお店ですが、都会から観光でいらした方々も、田舎そばと古民家の素朴な雰囲気を、きっと気に入ると思います♪
住所:村山市大久保甲65
七兵衛そば(次年子そば)
こちらは、「どんな山奥でも、美味しいおそばが食べられるなら行ってみたい」という人にはおすすめの1軒。
そば好きなら、一度は訪れて欲しいお店です!!
七兵衛そばは、次年子(じねご)という地域にあり、山形では「次年子そば」と呼ぶ方がメジャーかも。
私は学生の頃から、先輩や仲間たちと数回食べに行っています。
鶴岡市などへ遊びに行った帰りや、温泉へ行った帰りに立ち寄るとちょうど良い場所。というよりは、七兵衛そばがメインで、だったら山形市から北上して遊んで来ようという感じなのかも(笑)
アクセスは、難しくはありませんが、なにせ遠いのです。
「本当にこの先にあるの?」という不安を打ち消しながら次年子方面へひたすら進みます。
ちょっと左に逸れたところに、突如「七兵衛そば」が現れます。お店の中は農家の広いお座敷そのまま。
お客さんが数組いると、お盆に親戚が集まったような風景に見えます(笑)
まず玄関先で、番号札が渡されます。自分たちの順番がきたら、人数を確認され、漆器のどんぶりいっぱいに盛られたそばが自動的に運ばれてきます。
というのも、七兵衛そばのメニューはもりそばのみ、しかも食べ放題!!
一緒に付いてくる漬物3皿もおかわりOKで、季節の山菜や野菜の漬物が食べられて嬉しいシステムです♪
まず、そばについて。
そば粉が9割で、黒くて太いけれど、結構つるつるした舌触りで私好みです。
太さもまちまちだし、長さも短いのや長いのが色々あって、これぞ母の手打ちそばって感じなんですよね~♪
次に、つけ汁も独特。そば猪口には、ピリッと辛い大根のしぼり汁だけ。最初は大根汁だけで味わい、次にそばつゆを足しながら食べ進めていく。
これが「七兵衛そば」の流儀なんだって。初めて行ったとき、隣席の常連客に教えてもらいました。
そばは、どんどん持ってきてくれます。
親戚の子どもに「ほら、もっと食べなさい」と言うように、「お代わりは?もう終わりかい?」などと声を掛けられちゃう(笑)
温泉帰りだと、本当に美味しくて、どんどんおかわりできちゃうんですよ。
男性なら3~4杯くらいかな?私も調子が良いときは3杯ペロリでしたよ!
シメのそば湯もトローリ優しくて、最後にホッとできます。
遠方なので、なかなか頻繁に訪れることはできません(笑)が、そば好きの方にとっては、これだけを目的に山形へ行ってみるのも良いイベントかもしれませんね♪
住所:北村山郡大石田町次年子266
※あきら蕎麦、七兵衛蕎麦、どちらも山間にありますのでレンタカーなど車の移動が便利です。
まとめ
あきらそば
- 江戸時代末期に建てられた、茅葺き屋根のキレイな古民家
- メニュー「板そば」のみ
- 付け合わせ「にしんの味噌煮」を頼むべし!
七兵衛蕎麦
- 農家そのまんま、御座敷は田舎の親戚の集まりのような風景
- メニュー「もりそば」のみ、そば食べ放題
- 季節の漬物3皿も食べ放題
山形の北村山地方に伝わる田舎そばは、全国でも唯一無二のそばです。
その中でも、この2店については、既知の「そば」とは全くの別ジャンルだと思って、ぜひ一度は食べに行ってみてください!!
そして何よりも、記事を楽しみにしてくれている読者さんのために、僕はこれからも東北についての情報を発信していきます。
皆さんどうぞよろしくお願いします。
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